京都祇園祭大船鉾の大赤松
- 清治 田口
- 7月1日
- 読了時間: 2分
更新日:7月2日

2024年9月27日に公益財団法人四条町大船鉾保存会のご一行が岩手県奥州市前沢にある月山神社のアカマツを見るため、京都からおいでになりました。
このアカマツは根本直径1m、樹高15mの位置で直径70㎝もある大木です。
発端は岡山県のお得意様から京都祇園祭に使うアカマツの大木が必要らしいから、相談に乗ってあげて欲しい、との連絡があり、保存会の鈴木さんと直接お話をさせていただき、その後に奥州市の月山神社元総代の大石さんに相談したところ、神社の総代会で協議していただくことになりました。
2018年から名古屋城大天守の梁材にするアカマツを納めるために奔走しました。中でも一番大きい梁は長さ15mで末口直径60cmのほぼ直材ということで、月山神社の松以外には考えられませんでした。そこで、ダメもとで神社総代の大石さんに相談したところ、大切に守ってきた松だが、「台風被害などにより年々数が減っている。名古屋城の天守閣に使ってもらい、世界中の方々に末永く見守ってもらえるなら」という神社総代の皆様の総意により拠出していただきました。
その時に、候補木2本の立木の3次元データを当時調査した㈱woodinfoが持っていたので、今回の案件に該当するかどうか検討をつけることができました。それを基に保存会に事前に立木の大きさを伝えたところ、現物を見たいとの連絡を受けました。一方、月山神社としても京都祇園祭の素戔嗚尊(スサノオノミコト)と月山神社の月読尊(ツキヨミノミコト)が兄弟であることから、これは神様が遣わしたご縁に他ならないとの見解から総代会で拠出することを決定しました。

この大きさと曲がりの程度ならば、大丈夫とのお墨付きをいただいて、11月7日に保存会の皆様はじめ岩手県林業技術センター所長、奥州地方森林組合長ほかご来賓の方々、県内外からの見学者が見守る中、神事を行った後、伐採しました。
12月5日には古里木材物流さんにお願いして、矢巾町の石橋製材所まで運搬しました。製材は翌週の13日朝から始めましたが、その折には京都から鈴木ご夫妻にわざわざ立ち合いのために来ていただきました。製材は当日中に終わりましたが、翌日割れ止め剤(㈱エココスモ製)を塗るために一泊してもらいました。
1本の丸太から大船鉾の車台部分となる大きな桁材を2丁製材しましたが、これほどの丸太を見ることはほとんどないので、製材所のご近所さんが見に来るほどでした。
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